似た者同士の母と妻

どの家も嫁と姑の仲は良くないと言うが、私の家族ほどではないと思う。 私の母と私の妻の関係がこじれたのは、いつからだろう?思い出せないほど、ずいぶん昔から仲が悪い。 私と妻は同じ高校の同級生、共働きの両親を持つ私の家に彼女は遊びに来ていた。 父親は彼女のことを娘同然に可愛がってくれているのだが、母親は自分が留守の時に遊びに来ている彼女(妻)のことを快く思っていなかった。 両親の会社を継ぐ際に、私達夫婦は両親と同居することになった。 継いだ会社が順調に業績を伸ばしたため、新婚旅行を兼ねて1ヶ月ほど妻と海外旅行をした。 海外旅行から帰って来ると、両親と同居していた実家は茶色から白色に塗り替えられていた。 塗り替えられた実家を見て私はマズイと思った、隣の妻を見ると不機嫌な顔をしていた。 実家の離れにあるのが妻が利用している車庫、その車庫はもともと農機具を保管しておく蔵だったのだが、車好きの妻のために私が車庫に造り直した。 車庫に造り直したことは妻は喜んでくれたのだが、車庫の外壁を白色にしたため、夏になると白色の外壁に沢山の虫が集まり、虫嫌いの妻は車庫の塗り替えをすることを望んでいた。 シャッターが開いている時だけ灯りが付く車庫と違い、自宅は一日中、灯りが付いているため、車庫とは比べものにならない沢山の虫が白色の外壁にビッシリ付いてしまう。 虫嫌いの妻は家に入る度に殺虫剤を噴射するため、妻が着ている洋服は殺虫剤臭くなる、すると、母親はわざと咳き込む。 たまになら妻は我慢するだろうが、妻が帰って来る度に母親はわざと咳き込むため、妻としては良い気がしないのは無理もない。 健康診断で異常が見付かり、母親が長期入院することになった。 会社の業績が上がると私は出張が多くなり、入院の母親を見舞えないことが気が掛かりだった。 長期出張を途中で中断したのは、入院していた母親が退院することになったから。 出張先から母親が入院している病院へ行き、母親と一緒に1ヶ月ぶりに自宅に帰ると、実家と車庫は茶色に塗り替えられていた。 塗り替えられた家を見て母親が言ったのは、「もう入院はしない(怒)」。 父親は私と同じで、女性がすることに口を出さない。 前回の塗り替えから3年も経っていないのに塗り替えをしたため、近所の人からは「また塗り替えをしたの?」と言われたが、近所の人は塗り替えをした理由を知ったうえで聞いてくるのだから、おっかない。

宮崎の塗装

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