友人宅へ行くと、塗装業者の車が停まっていた。
私、「お客さん?」
友人、「家の外壁塗装をするんだよ」
私、「家の外壁塗装って、この前したじゃない」
友人、「この前って、もう何年も経ってるだろ」
私、「もう何年もってことはないだろ。まだ、この前の塗装から5年も経ってないだろ?」
友人、「この前の塗装は、俺達が就活をしている時だから4年前か」
私、「4年で外壁塗装って早くないか」
友人、「普通は、どれくらいで外壁塗装をするものなの?」
私、「俺の実家は築13年で、2年前に外壁塗装をしたから、普通は10年周期じゃないの?」
友人、「10年周期なら、うちの4年は早いな」
私、「誰が外壁塗装をするって言うの?」
友人、「母親だよ」
私、「お前の父親って、何をやってる人なの?」
友人、「〇〇を経営している」
父親が〇〇を経営している友人宅は、敷地200坪、地下1階地上2階の豪邸。
私、「〇〇を経営してるって、お前の父親、〇〇?」
友人、「〇〇じゃねえよ(笑)」
豪邸の駐車場には、高級外国車ばかり数台停まっており、見た目の雰囲気は〇〇の家にしか見えない。
友人、「家に寄って行けよ」
私、「家の中に怖い人はいないよね?」
友人、「いるわけないだろ(笑)」
恐る恐る外壁塗装が行われている友人宅に上がらせてもらうと、〇〇の家には定番の動物の剥製が玄関に置いてあった。
私、「やっぱり帰る」
友人、「大丈夫だよ(笑)」
帰ろうと思ったのだが
友人の母親、「いらっしゃい」
私、「・・・、おじゃましてます」
一瞬挨拶が遅れたのは、友人の母親は動物の剥製がある家に居そうなハデな容姿だったから。
友人の母親、「お珈琲とお紅茶、どっちが良い?」
珈琲と紅茶に「お」を付ける人を、初めて見た。
友人の母親につられ
私、「お珈琲を下さい」
友人の部屋にいると、友人の母親がお珈琲を持って来てくれた。
友人の母親、「ゆっくりしてってね」
私、「ありがとうございます」
友人の母親が部屋から居なくなったため
私、「お前の母ちゃん何歳?」
友人、「今年、還暦」
私、「還暦かー」
友人、「歳の割には若く見えるだろ?」
私、「・・・、ああ」
またしても、返事が遅れたのは、友人の母親が若く見えるのは厚化粧をしているから。
友人、「還暦なのに、美容エステにも頻繁に通っているんだぜ」
友人の母親は美意識が高いため、家の外壁も頻繁に塗装をしているのではないだろうか。